例のプールとは?誰もが見たあの新宿スタジオの正体と現在の料金を徹底解説
青いタイル張りの床、ガラス張りの天窓から差し込む自然光、そして透明な水をたたえた長方形のプール――。インターネット上でその写真が一枚投稿されるだけで、数万人規模のユーザーが即座に「あの場所だ」と反応する特異な空間が存在します。通称「例のプール」と呼ばれるこの場所は、長年にわたりネット空間の共通言語として君臨し続けてきました。
なぜ特定の撮影用スペースが、世代や属性を超えてここまで強烈な既視感を呼び起こすのか。本稿では、その正式名称や所在地の特定から、レンタル料金、一般利用の手順、数々の有名作品への登場経緯、そして「閉鎖されたのではないか」という噂の真相に至るまで、徹底取材をもとにその全貌を解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:正式名称は「No.93 花園ROOM」(旧ピースマインド運営)。東京都新宿区のマンション最上階に実在する高級ハウススタジオ。
- 要点2:成人向け作品の定番ロケ地から『仮面ライダーW』や多数のアニメパロディへ波及し、ネットミームとして定着。
- 要点3:一般人でも規約を守れば予約・利用が可能であり、スタジオの統廃合や運営形態の変遷を経ながらもサブカルチャーの象徴として現存。
【元ネタと正式名称】ネットを騒がせ続ける「例のプール」の正体
ネットユーザーの間で半ば符丁のように語り継がれる「例のプール」ですが、その正式名称は「No.93 花園ROOM」(通称:花園ルーム)です。撮影スタジオ大手のピースマインド(スタジオプラネアール系列等)が管理・運営を手がけてきた、実在する商業用レンタル撮影スタジオの一室を指します。
元ネタとしての起源は、2000年代初頭から中盤にかけて成人向け映像(AV)のロケ地として頻繁に採用されたことに端を発します。都心のマンション最上階(ペントハウス)というプライベート感あふれる空間に、本物の温水プールが設置されているという唯一無二のロケーションは、制作現場にとって極めて利便性の高い舞台でした。
当時、制作本数の多さから同一のプールが登場する作品が連続して世に出回り、匿名掲示板「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」の住人たちが「またあのプールか」「どの作品を見ても同じ場所が出ている」と話題にし始めました。やがて画像を1枚貼るだけで意図が通じる「ネットミーム」へと昇華し、「例のプール」という呼称が日本中に定着したのです。
自然光が美しく差し込む天窓、白を基調とした壁面、プールサイドに置かれたデッキチェアや観葉植物といったインテリアの配置は、一度見たら脳裏に焼き付く視覚的インパクトを持ち合わせていました。これが、視覚情報だけで爆発的な認知度を獲得した最大の要因です。

【ロケ地と料金体系】新宿・花園ルームの場所と一般利用の予約方法
「例のプール」の所在地は、東京都新宿区新宿1丁目に位置しています。最寄り駅は東京メトロ丸ノ内線の「新宿御苑前駅」であり、駅から徒歩数分という都心の一等地に佇むヴィンテージマンションの最上階フロア(9階・ペントハウス構造)を改装して作られました。
ロケ地としての利便性は極めて高く、機材の搬入や出演者のアクセスが容易である点も、映像業界で重宝された決定的な理由の一つです。室内はプールエリアだけでなく、リビングスペース、バーカウンター、らせん階段などが一体となったラグジュアリーな構造になっています。
一般利用における予約方法とレンタル料金については、運営スタジオの公式WEBサイトを通じて申し込みを行います。法人だけでなく、個人によるスチール撮影、コスプレ撮影会、動画配信のロケ地としても規約をクリアすれば利用可能です。
| 項目 | 詳細・数値データ | 一般的な基準・相場 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 基本レンタル料金(スチール) | 1時間あたり約15,000円〜22,000円 | 都内ハウススタジオ:10,000〜18,000円/h | 屋内プール付きという希少設備を考慮すると極めて妥当な価格設定。 |
| 基本レンタル料金(ムービー) | 1時間あたり約20,000円〜28,000円 | 都内大型スタジオ:25,000〜40,000円/h | 動画撮影でも割高感が少なく、商業CMからインディーズ制作まで広く使われる。 |
| 最低利用時間 | 3時間〜4時間以上(パックプランあり) | 都内スタジオ平均:3〜5時間 | 短時間での飛び込み利用は不可。準備・撤収を含めた計画的予約が必須。 |
| 水張り・温水オプション | 別途20,000円〜35,000円前後 | 水張り費用:15,000〜40,000円 | 実際に水に入って撮影する場合は事前申請と追加コストが不可欠。 |
| 立地・収容人数 | 新宿御苑前駅徒歩約3分 / 推奨10〜15名 | 駅徒歩5〜10分圏内 | 機材車搬入やキャストの移動において国内屈指のアクセスの良さを誇る。 |
予約はスタジオ公式サイトのスケジュール表から空き状況を確認し、予約フォームを通じて行います。商用・個人利用問わず、予約完了後に利用規約の同意および料金の前払い(銀行振込やクレジットカード決済)を行うのが通例です。
【有名作品とパロディ】特撮『仮面ライダーW』からアニメ・大衆文化への拡散
「例のプール」がサブカルチャーの金字塔となった背景には、成人向けコンテンツの枠を完全に飛び越え、全年齢向けのメジャー作品へ堂々と進出した歴史があります。
その代表格が、2009年に放送された平成仮面ライダーシリーズの傑作『仮面ライダーW(ダブル)』です。第2話において、敵組織の中核である園咲(そのざき)家の豪邸内部として「例のプール」がそのまま登場しました。日曜朝の子供向け特撮番組の画面に、あの見覚えのあるタイル張りのプールが映し出された瞬間、インターネットの実況掲示板やSNSは驚愕と爆笑の声で埋め尽くされました。
制作スタッフによる意図的な選定か単なるロケ地都合かは諸説あるものの、この出来事によって「例のプール」の存在は特撮ファンや一般層にまで一気に認知されることになります。
以降、アニメ作品におけるオマージュやパロディが急増しました。背景美術のスタッフが「ネットユーザーが気付く小ネタ」として画面内に巧妙に配置する事例が相次いだのです。
- 『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』:作中のプールシーンにおいて、タイルの配置や窓枠の構造が完全に一致するアングルで描かれ大きな話題に。
- 『咲-Saki- 阿知賀編』:合宿所のシーンなどで特徴的なプールサイドが描写され、ファンの検証によって特定。
- 『銀魂』『波打際のむろみさん』:ギャグ描写や背景の1コマとして、誰もが一目でわかる形でパロディ化。
- 地上波バラエティ・音楽MV:『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』をはじめとするテレビ番組のロケや、人気YouTuberの企画、アーティストのミュージックビデオの舞台として逆輸入。
こうして「例のプール」は、知る人ぞ知るアングラな空間から、日本のポップカルチャーが共有する「最強のギャグアイコン」へと進化を遂げました。

【実態検証】「現在閉鎖」の噂の真偽とスタジオ運営の現場リアル
ネット上では定期的に「例のプールが取り壊された」「すでに閉鎖されている」という言説が飛び交いますが、これらは事実の曲解から生じた誤解です。
閉鎖説が流布した主因は、運営会社であるピースマインド(スタジオプラネアール)のブランド再編や、スタジオ公式サイト内の掲載URLの統廃合、WEBリニューアルに伴い一時的に情報が見つけにくくなった時期があったためです。また、感染症流行期における一時的な休業やロケ受け入れ制限のニュースが、「完全閉鎖」として誇張されてSNS上で拡散された経緯もあります。
現在もスタジオとしての機能は維持されており、適切な手続きを踏めば撮影利用が可能です。ただし、実際の利用現場には厳格な運用ルールが存在します。
現場スタッフや利用経験者の証言によると、マンションの最上階という構造上、階下や近隣住民への騒音・振動対策は極めてシビアです。特にプールへ飛び込む行為や大声での騒乱、夜間の大音量スピーカーの使用は厳禁とされています。また、水を張る際の給水・排水には数時間を要するため、温水利用時は完全事前予約制となり、利用後の現状復帰義務も厳密に定められています。
【社会学的考察】なぜ一室のプールが日本の「集合的無意識」となったのか
メディア論および文化社会学の観点から「例のプール現象」を読み解くと、極めて興味深い日本のネットカルチャーの構造が浮かび上がってきます。
本来、性的なコンテンツやアングラな領域で消費されていた記号が、文脈を切り離されて(コンテクスト・コラプス)全年齢向けのミームとして再構築される現象は、日本のインターネット空間特有の成熟プロセスを示しています。「露骨な言葉を使わずに、1枚の画像だけで暗黙の共通理解を確認し合う」というコミュニケーションは、コミュニティ内の連帯感を強める機能を果たしました。
社会学において心理学者ユングが提唱した「集合的無意識」になぞらえ、このプールはネット世代における「共通の視覚体験」として機能しています。誰もが知っているけれど、公の場では少し照れ笑いを含んで語られる――この絶妙な距離感こそが、20年以上にわたって風化せずに愛され続けている本質です。
【プロの結論】利用を検討する人への判断基準
もしあなたが個人的な撮影会やコスプレ、YouTube撮影などで「花園ルーム」の利用を検討している場合、以下の客観的な判断基準を参考にしてください。
【利用に向いているケース】
- 明確なコンセプトがあり、「あのプールであること」自体が動画や写真のフック(引きの強さ)になる企画。
- 天窓からの自然光を活かしたポートレートや、水面を活用した本格的なファッション・コスプレ撮影。
- 参加者全員がスタジオ規約(静音・現状復帰)を理解し、マナーを守れる少人数(10名以下)のチーム。
【おすすめできない・慎重になるべきケース】
- 単なる飲み会やオフ会目的の利用(騒音トラブルの原因となり、規約違反のリスクが高い)。
- 低予算で手軽に水着撮影を行いたい場合(水張り代や最低利用時間を含めると総額10万円前後の予算が必要)。
- 飛び込みや激しい水しぶきを伴うアクティブなアクション撮影(水深や設備保全の観点から制限あり)。

【例のプールとは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:一般人でも宿泊施設として泊まることはできますか?
A1:宿泊施設(ホテルや民泊)ではないため、原則として宿泊利用はできません。あくまで時間貸しの撮影・レンタルスタジオとしての運用となっており、予約された利用可能時間内でのみ滞在が許可されています。
Q2:なぜこれほど多くの作品で同じプールが使われ続けたのですか?
A2:都心(新宿)に位置し機材搬入が容易であること、ペントハウスの天窓から美しい自然光が入ること、屋内温水プールという希少な設備を低リスクで貸し切れるスタジオが他になかったことなど、映像制作上の合理的な条件が完璧に揃っていたためです。
Q3:個人の見学や聖地巡礼として中に入ることはできますか?
A3:スタジオは完全予約制の貸切施設であり、一般向けの見学ツアーやフリー入場などは行われていません。内部に入るためには、正規のレンタル予約を行い、所定の利用料金を支払って利用枠を確保する必要があります。
まとめ:サブカル史に刻まれた「例のプール」が遺したもの
単なる撮影スタジオの一室からスタートし、特撮番組への登場、アニメでの無数のオマージュ、そしてネットカルチャーを象徴する世界的ミームへと上り詰めた「例のプール(No.93 花園ROOM)」。
その背景には、都心の利便性と唯一無二のロケーションが生んだ映像制作現場の実利と、それを面白がりながら共有言語へと育て上げたインターネットコミュニティの熱量がありました。時代の移り変わりとともに撮影機材や配信プラットフォームがどれほど進化しようとも、あのガラス天井から光が降り注ぐ青いプールの記憶は、日本のデジタルサブカルチャー史における不朽のモニュメントとして、これからも語り継がれていくはずです。 (出典: 例のプールとは(Yahoo!ニュース))